彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
「綺月、休憩終わりな!」
座り込む綺月の肩に、俺は手を置いたのに
さっと振り落とされてしまった。
高3のくせに、
ガキの頃から生意気な奴だな!
頑固バンパイアには、怒鳴りよりも
好きなもので操るしかないか。
俺は精いっぱいの譲歩で、
柔らかい声を吐き出す。
「綺月も早く帰って、心美ちゃんと
いちゃつきたいんじゃねぇの?」
「まぁ、そうなんだけどさ~。
休憩、もうちょっとだけ」
……イラっ。
「もう、待てねぇよ」
「心美の奴さ、今、
アニメ満喫タイムじゃん?」
……イライラっ。
知らねぇし。
綺月がドはまりしてる、
同居彼女のことなんてさ。