彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
俺は眉をキリっと上げながら
座り込む綺月の後ろに立ち
足の裏を、綺月の背中に
思いっきり、めりめり食い込ませたのに
幸せに侵され中の綺月には、
なんの効果もなく……
「マッサージしてくれるなら、
もうちょい右下も頼むわ」だって。
顎クイで、指示される始末。
なんか怒りより、
綺月に対する諦めが膨らんできた。
そうだったよ。
俺がこいつと一緒に
アイドルをやりたいと思ったのは
自分中心オーラが、
俺と同じで気に入ったからだよ。
昼間のすっげー生意気な、
くそガキ総長のせいで
メンタルがやられてる、今の俺。
これ以上、
心のダメージを増やしたくないし
綺月に関わるの、や~めた。
自販機行って
甘ったるいイチゴオレ買って
心の荒波を鎮めてくるかぁ。