彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目


 「この程度の甘さで頬を赤らめてたら、俺との結婚生活はやっていけないぞ」



 うわぁぁぁぁ。
 
 その声、ゾクゾクする!



 男らしい低めの声。

 俺様発言。



 声に怖さを感じず優しく聞こえてしまうのは、凛とした声に吐息混じりの色気が混ざりこんでいるからかもしれない。




 「アイドルって、人の心を惑わすのが仕事なんですか?」


 「なんだよそえれ、初めて言われた」



 アハハと無邪気に笑う氷牙さんの姿に

 『子供っぽい笑い方もするんだ』

 私の頬も緩んでしまったけれど


 
 「まっ、みくるの言う通りかも」


 「えっ?」


 「子供の頃から数えきれないファンを、俺の色香でゾクゾクさせてきたからな」



 真っ赤なメガネを指で上げ、自信満々に言い切る氷牙さんの姿に

 『アイドル=怖すぎる生き物』と判別した私。

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