彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
きっとその見目麗しいルックスで、乙女心をぐわっと掴んで。
もて遊び、捕食して。
飽きたら遠慮なくポイっ。
次の獲物へゴー。
氷牙さんはそんなことを、繰り返してきたんだろうな。
怖い、怖い。
人間というより、人を惑わす悪魔かも。
危険、危険。
魅惑の悪魔スマイルに、あやうく毒されるところだった。
私は恋愛経験ゼロ。
男の色気に免疫なし。
だからより一層、気をつけなくては。
――私は騙されない!
――氷牙さんの魅力に、憑りつかれない!
オレオレ詐欺注意並みに、自分に暗示をかけたつもりだったのに……
敵はプロ。
手ごわいアイドル。
私の暗示なんて、さわやか系アイドル笑顔で簡単に解いてくる。