君に捧げる一途な愛

「合田くんですか?年齢が近いからなのか、変なあだ名をつけられたんです。止めてと言っても止めてくれないので今はスルーしてますけど」

「特に仲がいいという訳では……いや、なんでもない」

小笠原課長は首を振り、言いかけた言葉を止めた。
もしかして、合田くんと仲がいいと思われているのかな。
それだったら誤解は解いておかないといけない。

「あの、合田くんとは仲がいいという訳ではないですよ。ただの後輩というか、同僚です」

どちらかといえば苦手なタイプだし。

「そうか。格好悪いな、俺は」

急にそんなことを言うので私は口を開く。

「小笠原課長はカッコ悪くないですよ」

「そう言ってくれるのはありがたいが、どうも志乃のことになると許容が狭くなる。さっきもあの合田ってやつが志乃を親し気に呼んだことにムカついた。自分がこんなに嫉妬深いなんて思わなかった」

ハンドルを握ったまま、小笠原課長が自嘲気味に言う。
私はドキドキしすぎて胸が苦しくなった。
こんな気持ちは初めてだ。

「今日も、遠藤さんが志乃の名前を出していたのが聞こえてたからつい口出しをしたんだ」

私の名前?
口出ししたって、いったいどいうことなんだろう。

「あの、それって」

「今日の仕事中、遠藤さんが街コンに志乃を誘うとか言っていた話が聞こえてきたので思わず、そんな話は控えろと注意してしまった」

そう言って苦笑する。
❝してしまった❞ということはそんなつもりはなかったのに、注意したということだよね。
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