君に捧げる一途な愛
隣でカシャというシャッター音が聞こえ、そちらを見ると政宗さんが私の方にスマホを向けていた。
「えっ、今撮りました?」
「バレたか。志乃が上を向いてペンギンを見ている姿が可愛かったから」
「消してくださいっ!絶対に間抜けな顔をしてましたよね?」
上を向いていたので、間違いなく不細工な顔だったと思う。
「志乃は可愛いよ」
満面の笑顔で言われても困るんですけど!
何度も可愛いと言われ、恥ずかしくなる。
「ちょっと見せてもらってもいいですか?」
「いいけど」
政宗さんのスマホの画面を見ると、少し口を開けて上を見ている私の姿だった。
「な、可愛いだろ」
「いえ、口が開いているので消してください」
お願いすると、政宗さんは「せっかく撮ったのに」と言いながらしぶしぶ消してくれた。
なんだか申し訳ない気分になるのはなぜだろう。
「あの、よかったらでいいんですけど一緒に撮りませんか?私も政宗さんとの写真が欲しいので……」
私は意を決して口を開くと、政宗さんは驚いたように目を見開いた。
あれ、失敗した?
「う、嘘です。次、行きましょう」
私は恥ずかしさを誤魔化すように政宗さんに背を向けた。
調子に乗って変なこと言うんじゃなかったと後悔の波が押し寄せる。
「待って。俺も志乃と一緒に写っている写真が欲しい。なんなら、志乃だけでもいい」
私の腕を掴んで引きとめる。
「嫌じゃないんですか?」
「嫌なわけないだろ。志乃から一緒の写真が欲しいなんて言われるなんて思っていなかったので驚いたんだ。マジで可愛すぎる」
政宗さんが私を抱き寄せた。