君に捧げる一途な愛
「やっと志乃が自分のやりたいことを俺に言ってくれたのがすごく嬉しい。これからもどんどん、俺に対して自分の素直な気持ちを言ってほしい」
そう言って破顔した。
その表情を見て、落ち込んでいた気持ちが吹っ飛んだ。
今までずっと、自分のやりたいことや欲しいものは極力作らないようにしていた。
でも、それじゃいけないと変わろうとしている最中だ。
さっきは言わなきゃよかったと後悔していたけど、政宗さんは私の気持ちごと全部優しく包み込んでくれる。
改めて好きだなと思う。
私たちはそのままペンギンの水槽をバックに写真を撮った。
すぐにそれを私のスマホに送ってくれて、写真を確認する。
政宗さんに肩を抱かれ、少し照れたように笑う私の顔と、真っ直ぐに前を見つめ口元を少し緩めた政宗さんの姿がそこに写っていた。
やっぱり政宗さんはカッコいい。
優しいし本当に素敵な人だ。
そんな人と付き合えるなんて私は幸せ者だ。
私はそれを見てしばらくニヤニヤしていた。
そのあとはお土産ショップに立ち寄ることにした。
イルカショーは八月いっぱいで終了だったみたいで、それを見られなかったのは残念だ。
政宗さんがおもむろに可愛らしい白色のアザラシのついたカチューシャを手に取った。
何をするのか目で追っていたら、それを私の頭へと持ってきた。
「へ?」
カチューシャをつけられ、政宗さんを見上げると「可愛い」と言って目を細めていた。
「な、なにを」
「志乃に似合うかなと思ってつけてみたけど、思った通り可愛い」
何度も可愛いと言われ、私は恥ずかしくなった。