君に捧げる一途な愛
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「せっかくだからワインを飲めばいいのに」
「いえ、政宗さんが飲まないのに、私だけ飲むなんて出来ません」
私は首を振った。
水族館を出た後、政宗さんが連れてきてくれたのはイタリアンレストラン『シャルアンド』。
こぢんまりとした店内にはテーブル席が七席、一席だけ個室があるレストラン。
木目を基調とした内装で天井は高く開放感があり、ところどころにアンティークの家具が置かれている。
すごくセンスがいい。
天井から吊り下げている照明はオレンジ色の暖かみのある空間を演出している。
政宗さんとここのオーナーシェフは知り合いみたいで、個室に案内された。
新鮮野菜のバーニャカウダ、前菜三種盛り合わせを順番に食べていく。
運ばれてきたベーコンとほうれん草のカルボナーラをフォークでクルクルと巻いて食べる。
メインは迷った結果、牛すね肉の赤ワイン煮込みを選んだ。
政宗さんは黒毛和牛のサーロインステーキを選んでいた。
男の人ってこんなに食べるんだと、政宗さんの食べっぷりに目を見張っていた。
「柔らかくて美味しい」
よく煮込まれて柔らかくなった牛すね肉にコクのあるスープは本当に美味しい。
つい口に出してしまうと、政宗さんが目を細める。
「それはよかった。志乃は何でも美味しそうに食べてくれるので連れてきたかいがあったよ」
本当に美味しいから自然と笑顔になって食べ進めていた。
これでも最初は緊張していたけど、政宗さんとご飯を食べるのはシャッフルランチでも経験済みだ。
そこまで気負わずに居れている。
いちじくのジェラートを食べ終え、もうお腹いっぱいだ。