君に捧げる一途な愛
「こんな失礼な男と付き合ってるなんてお姉ちゃんの趣味を疑うわ」
さっきまで政宗さんのことを気に入っていると言っていたくせに、この変わりように開いた口が塞がらない。
政宗さんも言っていたけど、茅乃はいつも自分中心で物事を考える。
でも、それは私が絡んでいる時が多い。
私は茅乃に向き合わないといけないと思った。
こんな気持ちになれたのは政宗さんのお陰だ。
さっきも私を守るために茅乃に強い言葉を投げ掛けてくれた。
そのことが本当に嬉しかった。
政宗さんがそばにいるだけで勇気がわいてくる。
私の言葉で茅乃が納得してくれるか分からない。
だけど、お互いの呪縛から解放しないと前に進めない気がした。
「茅乃、いい加減私に執着するのは止めたらどう?」
「執着?」
「そうよ。私はもうあなたの言いなりにはならない。嫌なことは嫌だと言うし、欲しいものは欲しいと言う。茅乃は昔からなんでも私が持っているものを欲しがってたよね。いつも私の気持ちを無視して自分の意見を押し付けてきた。自分の思い通りにならないと、母親を味方につけて私の逃げ道を塞いだ。私がどれだけ悲しくて悔しかったか分かる?いつも、母親から志乃はお姉ちゃんだから茅乃に譲れと言われてきた。私がそれを拒否したら怒鳴られる。そのとき、いつも茅乃は笑っていたよね」
私が怒られるのは当たり前だと言うように、高みの見物をしていた。
いつも母親を味方につけ、私からたくさんのものを奪っていく。