君に捧げる一途な愛
「政宗さん、いろいろとありがとうございました」
「俺はなにもしていないよ。志乃が自分の気持ちを伝えただけだ。それより姉妹のわだかまりが解けてよかったな。割と強めのシスコンで驚いたが」
「そうですね。私はてっきり嫌われているから、あんな嫌がらせをしていたんだと悪い方にばかり考えていました」
茅乃たちと別れ、私は政宗さんのマンションに来ていた。
リビングのソファに座り、さっき起こった出来事を思い出しながらお礼を伝えた。
政宗さんは茅乃のまさかのシスコンに苦笑いをしていた。
私も茅乃の本心聞いて驚いた。
「好き過ぎるがあまりのってやつだな。まぁ、なんにせよ志乃が少しでも気持ちが楽になったならそれでいい」
政宗さんはどこまでも優しい。
本当に私は素敵な人と巡り合えたんだなと改めて思う。
「俺的にはあの妹の誘惑のお陰で元カレから志乃の初めてを守れたんだから、そこだけはグッジョブと言いたいけどな」
そう言って意味深に笑い、ドキッとした。
泊まりに来てるということはそういうことだから、緊張しないはずはない。
知識が乏しいのでネットでいろいろ勉強して、身体の手入れを昨日済ませたりと準備はしたつもりだ。
もう少し胸が多かったら……って自分が不埒なことを考えたことが恥ずかしくなり視線を外した。
「どうした?」
「いえ、どうもしていません」
私の少しの変化にも目ざとく気づいてしまう政宗さんが今ばかりは恨めしい。
「もしかして緊張してる?」
政宗さんは私の隣に座り、顔を覗き込んできて鼓動が跳ねた。
「そ、そりゃあしますよ……」
真っ赤になりながら俯いた。