君に捧げる一途な愛
本気の想い
「ついに志乃も女になったか……」
「ちょっと、そんな言い方やめてよ」
感慨深げに言う由香の腕を小突く。
しかも、ここは社員食堂なんですけど。
誰かに聞かれないよねとキョロキョロと視線をさ迷わせる。
今日は社食で昼御飯を食べようと由香と約束していた。
お昼時とあって、席はだいぶ埋まっている。
私が先に食堂についたので、窓際の隅っこのまだ誰も座っていない六人テーブル席を選び、あえて真ん中の席に座った。
空いた両隣のどちらかに由香に座ってもらうためだ。
向い合わせだと少し大きめな声で話さないといけなくて、話し声が誰かに聞かれる可能性があるので隣同士で座った方がいいと考えた。
比較的自由に昼休憩がとれる私とは違い、由香は秘書業務ということもあり、その日にならないと予定は分からない。
だから、私が由香に合わせるようにしている。
そして、遅れてやってきた由香に政宗さんとそういう関係になったことを報告したというか、誘導して言わされたところだ。
隣から視線を感じ、恥ずかしさを誤魔化すように自分で作った弁当の蓋を開ける。
「ごめんごめん。だって嬉しいんだもん。志乃が幸せそうだから」
由香はそう言ってカルボナーラをフォークでクルクルと巻いて口に運ぶ。
「そ、そういう由香はどうなの?」
「私は至って健全なお付き合いよ」
「ちょっと待って。それじゃ、私が不健全な付き合いみたいじゃない」
「あはは、なに言ってんのよ。付き合ってたらエッチなんて自然な流れでするでしょ。不健全でもなんでもないわよ。これだから志乃は可愛いんだから」
顔を赤くして抗議した私に向かってニッコリと微笑む。