君に捧げる一途な愛
「合田くん、なかなか気が利くのね」
「そうですね。飲み会の時はよく周りのことに気を配ってますね」
「へぇ、意外だったわ」
智美さんが合田くんを見て感心したように言う。
今まで飲み会はあったけど、智美さんは子育てもあるので不参加が多々あった。
だから、飲み会での合田くんの振る舞いを知らないんだろう。
これが仕事にいかせたらいんだけど、本当にもったいない。
「若いからなのか、フットワークは軽いですよね。物流部の先輩とかに重宝されてますし」
「それはあるかもね。あの子、身体を動かしている方が性に合ってる気がする」
「それは私も思いました。ピッキングとか手伝っているとき、本当に手早く動いてくれるので倉庫の人にも頼りにされてますから」
「合田くん、今やってる仕事は苦手そう」
「え、俺の話してます?」
自分の名前が聞こえたのか、私と智美さんの会話に入ってきた。
「まあね。合田くんは身体を動かす仕事の方がイキイキしているように見えるって話をしていたのよ」
「なるほど。確かに自分もそう思います。ぶっちゃけ倉庫の仕事の方が楽しいっすから」
合田くんがケラケラ笑いながら言うと、少し離れた場所に座っていた上杉主任がこちらのテーブルにやって来る。
「合田くん、倉庫の仕事楽しいって本当かい?」
「はい。頭を使うより身体を使う方が自分には合ってると思います」
「なるほど。今、中村部長と倉庫の人材を増やしたいという話をしていたんだ。もし、よければ倉庫担当にならないかい?」
上杉主任が合田くんに問いかけた。