君に捧げる一途な愛
「じゃあ、どんなつもりだったんだよ。ちゃんと後先考えて発言しろ。小学生でも言っていいことと悪いことの区別はできるぞ。カッとなって余計なことを言って自分の価値を下げるな」
「だって……」
「だってじゃねえ。好きなら正面からぶつかって振られろ!コソコソと陰険なことしてトラブルを起こすのだけは勘弁してくれ。清水にお前のフォローを頼まれた俺の身にもなれよ。アイツ、お前のこと心配してたぞ」
朝倉さんはハッと息をのんだ。
清水さん?
私の知らない名前が合田くんの口から出た。
きっと二人の共通の人物なんだろう。
振られろって、容赦ないな。
それより、カッとなってという言葉を聞いて耳が痛くなった。
それは先ほどの私にも言えることだ。
もう少し冷静になって立ち回ればよかった。
そんなことより、合田くんの口ぶりは私たちの話を全部聞いていたかのようで、気まずすぎる。
「朝倉が小笠原課長のことを好きなことをやめろとは言わない。朝倉の気持ちを否定するつもりはないし、俺がどうこう言えることじゃないからな。だけど、自分勝手な考えで暴走して周りに迷惑をかけることはやめろ。とりあえず、木下さんに不快な思いさせたんだから謝れ」
え、私?
「合田くん、別に私は……」
「ダメっすよ。こういうのはちゃんとしないと。朝倉、社会人なら分かるよな。言ってしまったことは取り返しがつかない。だけど、謝罪して反省することはできるだろ。誠意を見せろよ」
私の言葉を遮り、合田くんは朝倉さんに向き合っている。