君に捧げる一途な愛

「志乃ちゃんたちは買い物?」

「はい。先生たちは教室終わりですか?」

「そうなの。それで今からお茶でもしないかって言ってたんだけど、あなたたちもどう?」

あとはブラブラしながら帰るだけだったので、時間には余裕がある。
私は由香と顔を見合わせてお互いに頷き合う。

「「いいんですか?」」

「あなたたちは双子みたいね。もちろんいいわよ」

「本当に二人は仲がいいのね」

森沢先生がクスクス笑い、百合さんは優しく微笑んだ。

私たちは近くのカフェに向かった。
みんなでケーキセットを注文し、それが運ばれてくるのを待った。
お手拭きで手を拭きながら、森沢先生が私と由香を順番に見て笑う。
 
「また、こうして志乃ちゃんや由香ちゃんに会えて嬉しいわ」

私は母親からは料理を教えてもらうことがなくて、全部自己流だった。
でも、料理教室に通ったお陰で基本から学ぶことが出来て本当に良かったと思っている。 
誘ってくれた由香に感謝だ。
  
「お待たせしました」

店員がやって来て、ケーキとコーヒーを運んできた。
三人はチーズケーキ、私の前にはガトーショコラのお皿が置かれた。

「そう言えば、二人は彼氏は出来たの?」

森沢先生が聞いてくるので、私と由香は照れながら頷いた。

「まあ、二人ともなの?」
 
「しばらく見ない間に綺麗になったのは彼氏の影響かしら。それで、どんな人なの?」

森沢先生が興味津々に聞いてくる。
料理教室に通っているときに話したことを覚えてくれていたみたいだ。
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