君に捧げる一途な愛

軽く晩ご飯を食べた後、政宗さんと体育館に来ていた。

体育館の一面はバスケ、隣のコートは半面ずつバトミントンや個人で借りているのか家族でそれぞれ使っていた。
中央にはボールが飛んでいかないようにネットが張られている。

すでに数人集まっていて、ストレッチしたりシュートを打ったりと各々で動いていた。
人数が集まれば、試合をすることもあるらしい。

来ている人は同じミニバス出身者で年齢は様々だ。
たまにコーチと飲み会をしているみたいで、その時に顔を合わせたりしているらしい。
だから年齢が違っても顔見知りと言っていて、政宗さんはそのミニバスの七期生らしい。

聞いていた話通り、自分の子供を連れてきている人もいて、一緒にドリブルしたりバスケを教えていた。

政宗さんもスーツからロンTとハーフパンツに着替え、ストレッチをしていた。
あとであの格好の写真を撮らせてもらいたいぐらいカッコいい。
ストレッチが終わると、軽く流すようにコートを走っている。
最初、政宗さんは見ているだけじゃ退屈するんじゃないかと言っていたけど、全然そんなことはない。
運動している政宗さんが新鮮で、ずっと見ていられる。

目で追っていると、政宗さんは背の高い男性に声をかけられ一対一を始めた。
政宗さんがオフェンスだ。
キュッキュッとバッシュの擦れる音がし、強弱をつけたドリブルで相手を抜いていく。
ゴール前、相手をフェイクでかわしてシュートした。

「ナイッシュー」

政宗さんがシュートを決めると周りから声がかかった。
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