君に捧げる一途な愛

だからなのか、社内の人から美女と野獣の夫婦と言われている。
優しくて頼りがいのある比嘉部長、綺麗で気配りのできる智美さん、二人はいいバランスでお似合いの夫婦だ。

啓介くんは間違いなく智美さん似だと思う。
将来、絶対にモテるだろうな。

「啓介、靴下を履いて出かける準備をパパとしよう」

「はーい」

元気に返事をして啓介くんは比嘉部長の後を追いかける。
その姿が可愛くて頬が緩む。

「あの、今日は公園でお弁当を食べた後はどうしましょうか?長時間、外にいるのも啓介くんが疲れますよね?」

私は運転免許は持っているけど、車は持っていないので電車とバス移動になってしまう。
三歳の子をあちこち連れ回すのも可哀想だ。
移動手段のことが頭から抜け落ちてた。

「それだったら大丈夫。助っ人がもう一人いるから」

「助っ人?」

「そうなの。最初は志乃ちゃんだけにお願いするはずだったんだけど、啓介の相手はかなり疲れると思うのね。それに、足があった方がいいって大ちゃんが言うから」

廊下を歩きリビングに向かいながら智美さんが言う。
足ということは車を持っている人なんだろう。

「そうだったんですね。それで助っ人は誰なんですか?私の知っている人ですかね?」

足があるのは助かるけど、見ず知らずの人と一緒に過ごすなんて私にとってはかなり高いハードルだ。
誰か気になって智美さんに尋ねたとき、ピンポンとインターホンが鳴った。
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