君に捧げる一途な愛

「志乃はどう思ってる?」

少し不安が混じったような表情で聞いてくる。
本音を言ってもいいんだろうか。
私ごときがとは思ったけど、前に政宗さんが『俺に対して自分の素直な気持ちを言ってほしい』と言ってくれたことを思い出す。

「私も、出来ることなら政宗さんと結婚したい……です」

勇気を出して、自分の気持ちを素直に伝えることにした。
政宗さんが望んでくれるなら、私もそれに応えたい。
もし、政宗さんのご両親に反対されたら認めてもらうように努力をすればいい。
隣に並んでも恥ずかしくないように。

なにもせずに諦めることだけはやりたくない。
それだけ、政宗さんと別れたくなかった。
我が儘な気持ちかもしれないけど、足掻けるだけ足掻こうと思ったんだ。

「よかった」

政宗さんは安堵の息を吐く。

「ちょっと弱音を吐いていいか?」

弱音?
なんだろうと思いながら頷くと、政宗さんは「ありがとう」と言って私の手を握ってきた。

「志乃はさ、『ラブイット』の社員の俺の告白を受け入れてくれただろ。俺の家のことを話して拒絶されるのが怖かったんだ」

そう言った政宗さんの声は弱々しいものだった。
不安に揺れる政宗さんは初めて見る。
ずっと葛藤していたんだろうか。
私は政宗さんとしっかりと目を合わせた。

「私は政宗さんがどんな人でも拒絶なんてしませんよ」

「ありがとう」

政宗さんはふわりと微笑んだあと、とんでもない爆弾を落としてきた。
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