君に捧げる一途な愛

「あのさ、事後報告になるんだが近々俺の両親に志乃を会わせると約束しているから」

サラリと言われた言葉に耳を疑った。

「えっ、今……なんて言いました?」

聞き間違いだろうか。
信じられなくてもう一度聞き返す。

「両親に志乃を合わせる約束をしている」

「嘘、ですよね?」

「嘘じゃないよ。なんなら、親父の方から付き合っている人と会わせてほしいと言ってきたんだ」

唖然とした。
さっきまで別れなきゃいけないのかな、なんて思っていたのに急展開過ぎて頭が追い付かない。

政宗さんのお父さんがそんなことを?
気持ちを落ち着けようと、ホットレモンを飲んだ。

「今年中に会いたいと言っているんだ。嫌かもしれないけど、俺の親に会ってほしい」

「嫌ではないんですけど……私で大丈夫ですか?どこぞのご令嬢とかじゃないんですけど」

「当たり前だろ。そもそも、俺はどこぞのご令嬢なんて興味ないよ。俺が両親に紹介したいと思ったのは志乃だけだ」

真っ直ぐな瞳で迷いのない言葉を紡ぐ。

「ごめんな、無理言って」

政宗さんは何回謝ったんだろうというぐらい今日は『ごめん』という言葉を聞いた。
さっき、政宗さんのご両親に認めてもらうように努力すると決めたじゃない。
なにを戸惑うことがあるんだろう。

「いえ、緊張しますけど政宗さんのご両親に会いに行きます」

私の言葉に政宗さんはホッとしたように表情を緩めていた。
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