君に捧げる一途な愛
立花課長と話して改めて思ったのは、太陽のように眩しく華やかなオーラを放っている人だなと。
それに対して政宗さんは、月のように静かに輝き、優しくて安心感を与えてくれる人。
クールに見えるけど子供っぽい部分もあったりして、ってこんなことを考えていたら政宗さんに会いたくなってきた。
でも、週末までは我慢だ。
今週の晩ご飯はなにを作ろうかな、なんて思いながら倉庫内の事務所に戻った。

 ***

定時で仕事を終えてスマホを確認したら、政宗さんからメッセージが来ていた。

【仕事が終わったら教えて】
【今、終わりました。これから帰ります】

返信して荷物を手に取り、「お先に失礼します」とまだ残業している人に声をかけて倉庫を出た。
歩いていたらスマホが震え、バッグから取り出した。

【俺ももうすぐ仕事が終わるから一緒に帰ろう】

え、やった!
思わずニヤけてしまった。
今日は約束してなかったけど、不意打ちでご褒美をもらえた感じだ。
お昼に私が会いたいと思っていたから気持ちが通じたのかな、なんて。

【わかりました。近くのコーヒーショップで待ってます】

メッセージを送り、歩いてコーヒーショップに向かった。

横断歩道で信号待ちをしていたら、いきなり誰かに手首を掴まれた。
ギョッとして振り向くと、昼に会った本田先輩が私の手を掴んでいた。
なんでここに先輩がいるの?
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