君に捧げる一途な愛

ノンアルコールのスパークリングワインを一口飲んだ後、政宗さんが口を開いた。

「疲れてないか?」

「少しだけ……。でも、政宗さんのご両親に私の気持ちを伝えれたのでよかったです」

人生で一番緊張した瞬間だったから、疲れていないと言ったら嘘になるので正直に答えた。

「俺のために志乃があんなことを言ってくれるとは思わなかったから嬉しかった」

「あんなこと?」

なんだったかなと首を傾げていたら、政宗さんは真摯な眼差しを向けてきて、自然と背筋が伸びた。

「俺は志乃を愛している。この気持ちは誰にも負けないし、志乃が俺を選んでくれるなら一生大切にするし幸せにする」

突然の告白に目を見開いた。
政宗さんの一途な想いに胸がいっぱいになる。
所々のワードには聞き覚えがあった。
アレンジしながらも政宗さんが私への気持ちを同じような形で伝えてくれているように思えた。

「志乃は俺に愛される覚悟はできてる?」

色っぽい笑みを浮かべる政宗さんに心臓が高鳴り、一気に顔が赤くなる。

政宗さんと一緒にいると決めた時点で覚悟は出来ている。
そうじゃないと、政宗さんのご両親の前であんなこと言えるわけがない。
私も政宗さんの真似をして口を開いた。

「もちろんです。政宗さんも私に愛される覚悟はありますか?」

私らしくないとは思ったけど、緊張の糸が解けたのもあって強気に言ってみた。
政宗さんは驚いた表情で数回瞬きしたあと、破顔した。

「もちろん。二人で幸せになろう」

「はい」

私はしっかり頷き、これからの未来に思いを馳せた。




end.

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