君に捧げる一途な愛
仕事内容は受注受付や事務作業でデータ入力、納品書や伝票作成などのデスクワーク。
たまに商品のピッキング作業をすることもある。
さすがにフォークリフトに乗ったり力仕事をするということはないけど。
商品の入荷、保管、出荷を円滑にしていかないといけないので大変だけどやりがいのある仕事だ。
「ちょっと後輩と話をしていただけで『無駄口をたたくのは止めて、手を動かして』って言うんだよ。仕事中でも息抜きは必要だと思わない?うちの課長、ホント融通が利かない堅物なんだよなぁ」
博美は経理部勤務で、上司の愚痴をよく聞かされる。
その上司とは経理課長の小笠原政宗さん。
年齢は三十一歳だったはず。
「息抜きね……。博美が息抜きの度を越して喋るばかりしてたんじゃないの?その姿が目に浮かぶんだけど」
「失礼な!確かに話が盛り上がって手は止まってたけど」
「ホラ、それだと注意されるのは当然でしょ」
「志乃までー!少しは私の味方になってよ」
博美はジト目を向けながらもまだ続ける。
「あの課長、絶対に彼女とかいないと思うわ。私が知る限り、女性の影とかないし。愛想の欠片もないし、普段は口数が少ないくせに喋ったと思ったら無駄口は叩くなだよ。私にとっては無駄口じゃないのに!真面目で仕事は出来てイケメンかもしれないけど、あれはないわ」
さっきから小笠原課長の愚痴が止まらない。
微妙に誉めてる部分もあったけど。