君に捧げる一途な愛
「木下さん、顔が赤いけど本当に大丈夫?」
「だ、大丈夫です」
これは、むせて赤くなっているわけではないので、気にしないでくださいと言いたいぐらいだ。
数時間一緒に過ごしただけだけど、本当に優しい人だと実感する。
「そうだ、連絡先を教えてもらってもいい?」
「えっ」
「さっき撮った啓介の写真を送ってもらおうかと思って。俺の撮った写真と一緒にアルバムに保存してまとめて部長に送りたいんだ」
なんだ、そういうことか。
写真のことをすっかり忘れていた。
連絡先って言うから勝手にドキドキしてしまった。
バッグからスマホを取り出し、連絡先を交換し、メッセージアプリで啓介くんの写真を小笠原課長に送る。
連絡先、交換しちゃった。
私のスマホの連絡先一覧に小笠原課長の名前が登録されているなんて変な感じだ。
それをまじまじと眺めていたら、ピコンと音が為り、目の前の課長から写真が送られてきた。
「これは……」
画面をタップすると、私が啓介くんと一緒に滑り台を滑っているときの写真と、私が大きな口を開けて笑っている二枚の写真だった。
「木下さん、いい笑顔で笑っていたから思わず撮ってみたんだ」
「こんな不細工な顔はちょっと……」
「全然不細工じゃないよ。すごく可愛い」
その言葉にピクリと反応した。
啓介くんとの会話の中で私のことを可愛いと言っていたけど、それは話を合わせていたと思う。
じゃあ、今は?
スマホから顔を上げると、小笠原課長は真っ直ぐに私を見ていた。