君に捧げる一途な愛
意外な接点
倉庫に荷物が届き、商品が正しく入荷されたか現品の商品コードや数量などを伝票と照らし合わせる。
入庫データの作成をしていたら、目の前の電話が鳴った。
「はい、物流部の木下です」
「営業部の小松です。悪いんですけど、もふりんの文房具一式をそろえて営業部に持ってきてもらえますか?」
「はい。いつまでとか期限がありますか?」
「出来れば十六時までに持ってきてもらえると助かる」
私は壁にかかっている時計を見る。
十三時半、今から行けばもう少し早めに持っていける。
「承知しました。それでは十六時までに持っていきます。失礼します」
受話器を置き、やっていたデータ作成を一時保存してその画面を閉じた。
倉庫に行き、もふりんの文房具が置いてある棚に向かう。
“もふりん”というのは我が社のオリジナルキャラクターで、子供たちに大人気だ。
どこになにがあるのか、頭の中に叩き込んでいるので、段ボールの中に鉛筆を始めノートなど文房具一式を入れていく。
それが終わると、一度事務所に戻る。
「智美さん、荷物を営業部まで届けに行ってきます」
「了解」
智美さんに声をかけ、私は事務所を出る。
オフィスビルに入り、エレベータに乗り込んだ。
営業部のある四階のボタンを押し、小さく息を吐いた。
「失礼します。物流部の木下です。小松さんはいらっしゃいますか?」
キョロキョロとフロアを見回し、小松さんを探す。
「あ、木下さん!」
私に気づいた小松さんが手を上げて席を立つ。