君に捧げる一途な愛
だから、女性でも部署によるけど部長という肩書きを持っている人がいる。
私は上昇思考はそこまで持ち合わせていないので、目の前の仕事を頑張るのみだ。
でも、女性でバリバリ仕事ができる人は憧れる。
スカートのポケットに入れていたスマホがブルブルと震えた。
仕事中はマナーモードにしていて、バイブ機能だけつけている。
スマホを見ると、秘書課勤務の同期、望月由香からメッセージが届いていた。
《お疲れさま。今日の夜、行けるよね?》
今日の仕事終わり、由香とご飯を食べに行く約束をしていた。
その確認のメッセージだ。
由香と博美、二人とも私の大切な同期だ。
でも、由香とは小学生の時からの友人で博美より付き合いは長い。
由香は私のすべてを知っていると言っても過言ではない。
逆も然りだ。
お互いに悩みがあると相談し合い、時には喧嘩し、辛い時は支え合い、嬉しいことがあったら一緒に喜びあった。
由香とは長年にわたって絆を深めてきた。
唯一、私が本音で言い合える友達だ。
ちなみに、博美と由香は顔見知り程度でそこまで仲がいいというわけではない。
だから、同期会などでみんなで集まって食事をするときぐらいしか交流はない。
私は邪魔にならないよう廊下の隅に行き、メッセージを返信する。
《もちろんだよ。定時で帰れる予定!》
《オーケー。仕事が終わったらまた連絡する》
私は了解というブサ可愛い犬のスタンプを押した。
スマホをポケットにしまってエレベーターの【下】のボタンを押した。