君に捧げる一途な愛
「気分はどう?」
目の前に来た小笠原課長はお風呂に入ったのか、ラフなTシャツに短パンという姿で髪の毛も洗いざらしだ。
「大丈夫です」
「よかった。とりあえず、ソファに座って」
私は小笠原課長に促され、リビングのソファに座った。
まさか、先週に引き続きこの部屋に来るなんて。
「これ飲んで」
小笠原課長に水の入ったグラスを渡された。
「ありがとうございます」
それを受け取ると、喉が渇いていたのか私は一気に飲み干したあと、頭を下げて謝罪した。
「ご迷惑をおかけしてすみません」
私がこの部屋にいるということは、記憶にないけどあのバーを出てから寝てしまったんだろう。
「別に迷惑とか思ってないから気にしないでいいよ」
そう言って小笠原課長はフッと笑う。
酔って寝てしまうとか何て迷惑なことをしたんだろう。
本当なら、その辺に放置されてもおかしくない。
「小笠原課長、今って何時ですか?」
「もうすぐ零時だよ。あのバーで幸也たちと別れて、タクシーに乗ってすぐに木下さんは寝てしまったんだ。全然起きる気配がなかったから俺の部屋に連れてきた。勝手なことして申し訳ない」
「とんでもないです。自分でもまさか寝てしまうとは思ってなくて。本当にすみません」
「木下さん、お酒に酔ったらすぐに寝るタイプ?」
「ここまで酔ったことはないので分からないですけど、バーのお酒が美味しくて調子に乗って飲み過ぎたみたいです。それで眠くなちゃって」
お酒はそんなに弱くないし、途中で寝るなんて今までやったことがなかった。