君に捧げる一途な愛
そんな人から告白されるなんて夢でも見ているんじゃないかと思うぐらいだ。
思うがまま、自分の気持ちに素直に従ってみるのもいいのかもしれない。
「ありがとうございます」
「それって俺と付き合ってくれるってこと?」
「はい。こんな私でよければお願いします」
私がそう返事をすれば、小笠原課長はホッとしたように息を吐いた。
「よかった。こちらこそお願いするよ。実を言うと、木下さんには嫌われてないとは思ったけど若干振られるのを覚悟していたから」
「え、そんな……」
私が小笠原課長を振るなんてとんでもない。
そんなおこがましいことはできない。
私には本当にもったいない人だ。
「遠藤さんと同期だろ。きっと、俺の悪口ばかり聞かされていて、いい印象を持たれていないんじゃないかと思っていたからね」
小笠原課長は苦笑いした。
博美、散々愚痴を言っているのバレてるじゃん。
今さら誤魔化しても仕方がないので、私は正直に話すことにした。
「確かにいろいろ話は聞いていたので、どんな人なんだろうと気になっていました。実際に会えた時、彼女から聞かされていた話と全然違う印象を受けました。ちゃんと周りのことを見てくれてフォローしてくれる素敵な人だなと思っていました」
言わずもがな、それはシャッフルランチの時だ。
あの時からいい人だなと思っていた。
今思えば、白玉団子を転がしたお陰だ。
それがなかったら、こんなにも小笠原課長のことを考えなかっただろう。