君に捧げる一途な愛
それは一体どういうことなのか。
必死に考えていると由香が言葉を続ける。
「前から遠藤さんに思うところがあって言えなかったけど、私たちがいることによって言いやすかったんじゃないのかなって。もし、遠藤さんがキレても第三者の私たちが止めてくれるかもとか考えていたのかもしれない。まあ、私の憶測だけど」
私たちをクッション代わりにしたっていうことなのかな。
確かに、朝倉さんの言葉に怒った博美を私はそのままにはしておかないだろう。
きっと、仲裁に入るというか、入らざるを得ないと思う。
もし、それを狙ってあんなことを言ったなら朝倉さんは恐ろしい人だ。
まぁ、博美は怒るというよりショックを受けていたみたいだけど。
「そんなことはどうでもいいんだけど。私は、志乃に自信を持っていればいいよってことが言いたかったの」
「自信?」
「そう。だって、小笠原課長が好きなのは志乃だよ。あのバーでお兄ちゃんが志乃を送るって言った時に、間髪入れずに自分が送るって小笠原課長が言ったでしょ。あれを見て、私は小笠原課長は志乃のことを気に入っているんだろうなって思ったんだよね。それにね、大事そうに志乃を抱えて歩いている姿を見たら私の方がドキドキしちゃった。こう抱きかかえて。あー、動画か写真か撮っておけばよかったわ」
身振り手振りでその時の状況を話してくれる由香には申し訳ないけど、その辺の記憶が曖昧で返答に困った。
でも、抱きかかえてとか言われて私の顔は自然と赤くなっていた。