君に捧げる一途な愛
今日は責任者の人に相談があり直接話をした方がいいと思ったので、そのついでに依頼書を手に出向いた。
「相談ね……。どうせ配送の納期を早めてとかじゃないの?」
「さすが、上杉主任。実は営業の人から木谷物産の納期を早めることはできないかと相談を受けたんですけど、どうにか出来ますか?」
苦笑いをしながら言う上杉主任に、私は申し訳なさを全面に押し出しながら口を開く。
「やっぱりね。それでいつまでにって言ってる?」
「出来れば三日ぐらい前倒しでと言われてまして」
私は眉を下げた。
忙しいのを知っているから、こういうイレギュラーなことをお願いするのは気が引けた。
「三日か。ちょっと急ピッチでやればどうにか間に合うか」
「私もお手伝いします」
「いいのかい?自分の仕事もあるのに」
「はい、大丈夫です。どうにか調整するので。ピッキングは少しでも人数が多い方がいいですからね」
「いつも悪いね。どうにかギリギリでやってるので、パートやアルバイトの人数を増やすことを早急に考えた方がいいな」
上杉主任は顎に手をあてる。
確かに人数を増やすことは正解だと思う。
今日みたいに納期を早めてほしいとか言われたら、出荷作業に影響を及ぼす。
「とりあえず、納期を早める件は承知したと伝えといて。ちょっと調整してみるわ」
「お願いします。また分かり次第、教えてください。私もヘルプで入るので」
「了解。ありがとう」
上杉主任は自分の席へと足を向けた。