祈りの空に 〜風の貴公子と黒白の魔法書
緑の目が急いでシルフィスを向き、驚きの表情を浮かべる。
「あんた、平気なの?」
「君も?」
「あたしはヒトじゃないもの。あんたは……」
「何……?」
目を塞がれたナーザが尋ねて、シルフィスとリシュナの会話が中断される。
答えたのはリシュナだった。
「『戦いを命ずる者の目』よ」
「これも、そのホルドトとかの魔法?」
シルフィスは空中の目玉を見つめて聞く。目玉もじっとシルフィスを見ている。そう、何かを命令するように。
「凄いね。前に戦った魔法使いが似たようなことをしていたけど……。せいぜい二人に同士討ちをさせるくらいだったよ」
戦い続ける者と倒れた者と、三十人はいるだろう。おそらくは、『歌うフクロウ』のメンバーたち。仲間を探して、城跡まで来て、この目を見た……。
目玉が向きを変えた。血塗れで戦う男たちへ。男たちの武器を持った手がだらりと下がった。目玉を見上げる。それが何を命令するかは、火を見るよりも明らかだった。
闖入者を殺せ。
「あんた、平気なの?」
「君も?」
「あたしはヒトじゃないもの。あんたは……」
「何……?」
目を塞がれたナーザが尋ねて、シルフィスとリシュナの会話が中断される。
答えたのはリシュナだった。
「『戦いを命ずる者の目』よ」
「これも、そのホルドトとかの魔法?」
シルフィスは空中の目玉を見つめて聞く。目玉もじっとシルフィスを見ている。そう、何かを命令するように。
「凄いね。前に戦った魔法使いが似たようなことをしていたけど……。せいぜい二人に同士討ちをさせるくらいだったよ」
戦い続ける者と倒れた者と、三十人はいるだろう。おそらくは、『歌うフクロウ』のメンバーたち。仲間を探して、城跡まで来て、この目を見た……。
目玉が向きを変えた。血塗れで戦う男たちへ。男たちの武器を持った手がだらりと下がった。目玉を見上げる。それが何を命令するかは、火を見るよりも明らかだった。
闖入者を殺せ。