祈りの空に 〜風の貴公子と黒白の魔法書
「……シルフィス……?」
細く声がした。リシュナが、静寂が続くのに我慢できなくなって、抜け穴から顔を出していた。倒れた魔法使いに気づき、シルフィスのそばへと宙を滑った。
魔法使いが絶命しているのを確認して、シルフィスに尋ねる。
「あんたが?」
「いや」
シルフィスは短く答えた。目は床に落ちた『黒白の書』を見ていた。
ネイロフが天候を操る魔法をここから手に入れたのなら。
床に膝をついて黒い書物の厚い表紙をめくった。黒いページに白い文字と記号が書き連ねてある。
「あんた、魔法が使えるの?」
驚いたようなリシュナの声。
「いや」
それにも、短く返す。
魔法使いになりたくて、マクリーンにいろんな魔法を教わった。成功したことは一度もない。でも、できなくてもやらなければ……。
細く声がした。リシュナが、静寂が続くのに我慢できなくなって、抜け穴から顔を出していた。倒れた魔法使いに気づき、シルフィスのそばへと宙を滑った。
魔法使いが絶命しているのを確認して、シルフィスに尋ねる。
「あんたが?」
「いや」
シルフィスは短く答えた。目は床に落ちた『黒白の書』を見ていた。
ネイロフが天候を操る魔法をここから手に入れたのなら。
床に膝をついて黒い書物の厚い表紙をめくった。黒いページに白い文字と記号が書き連ねてある。
「あんた、魔法が使えるの?」
驚いたようなリシュナの声。
「いや」
それにも、短く返す。
魔法使いになりたくて、マクリーンにいろんな魔法を教わった。成功したことは一度もない。でも、できなくてもやらなければ……。