モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。

水牧果歩に双子のことを頼みたくないのは、これ以上、あんなやつが私よりも好かれてしまったらどうしようって不安と、

プライドからくるものなのも分かっているから。

「言いたくないのはわかるけど、結果的に双子のためになるんだと思ったらさ」

そうだよね。
私が大事にしているのは柚巳と里柚の笑顔。

最近とくに、私が叱ってばかりな気がして全然ふたりの笑った顔を見れていない。

水牧くんに頼むのはほんっっとうに嫌だけど。

これもクレピスランドのチケットのため。
そもそも、お迎えに行ってもらえるかわからないし。

「……っ、」

悔しいけど、さゆちゃんの声にゆっくりと頷く。

「よーし!はい、そうと決まったらお昼休み!果歩くんのクラスに行くよ!」

「えっ、嘘でしょ、お昼休みって……」

「善は急げって言うでしょ!」

「楽しくなってきたぁぁ!!」

そんなさゆちゃんと萌ちゃんの楽しそうな声が教室に響いた。
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