モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。

「はぁ……」

ふたりのことだからてっきり、『果歩くんに会いたい!』なんて言ってついてくるんだとばかり思ってたよ。

ひとりで彼のクラスに行って呼びだすなんて。

重い足取りでふたクラス離れた教室に向かって歩く。

自分のクラス以外の教室は、どこも雰囲気が違うから横を通るだけでも少し緊張する。

高校に上がって、ほかのクラスに行くことなんて滅多にないし。

水牧くんのクラスはいちばん端だから特に。

彼の教室の前に着いて、チラッと中を覗けば、後ろの方でクラスメイトに囲まれている水牧くんがすぐ見つかった。

人気者なんだ……やっぱり。

「あれ、月本さん?」

突然、うしろから名前を呼ばれた気がしてすぐ振り返ると、

「あっ……廣瀬くん」

そこには、この間のアズコンのペア決めで話した廣瀬くんが友達数人と立っていた。
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