モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。

「……んっ」

甘ったるい声が部屋に響いて。

「……果歩」

唇を離して見つめ合えば、目の前の彼女の瞳が「早く」と訴えていた。

そんな期待に応える準備は万端だったはず。

それなのに……。
なんでだ……。

「……ごめん」

「え?」

「なんかまだ調子悪いみたい」

自分が一番びっくりしている。

情けない顔を見られたくなくて、彼女の首筋に顔を埋めて。

軽く唇を肌に触れさせて。

それでも全然だめ。

彼女の体に触れれば触れるほど、思い出すのは俺にキスされて怒った美乃里ちゃんの顔で。

ご飯を美味しいって言ったときの、ちょっと照れた顔とか。

怒ってプイッて少し口を尖らせるとことか。

「……果歩、最近おかしいって、女の子たち言ってるよ」

「……」

「アズコンで月本さんとペアになってから」

あんたまで言うのかよ。
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