モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。
「好きなの?彼女のこと」
なにそれ。
ほんとどいつもこいつも。
「……嫌いだよ」
「だったらなんで、……」
「ほんと、ごめん」
俺はそれだけ言い残して、彼女の部屋を後にした。
最悪。
『嫌い』と思いたくなるぐらい。
羨ましい。
美乃里ちゃんの環境も、彼女自身の持っている性質も。
俺にはないものばかりで。
羨んでしょうがない。
こんな汚い感情が恋愛感情なわけないから。
俺と美乃里ちゃんなんて不釣り合いすぎて。
彼女の綺麗なもの全部奪ってやりたいって気持ちと、誰にも触れないで欲しいって気持ちが交差して。
こんなふうにグチャグチャに俺の感情掻き乱す美乃里ちゃんのことなんて。
嫌い。
心の底からそう言えたら、楽なのに。