モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。

褒められて嫌な気分はもちろんしない。

でも、変なスイッチ入るからこんなところで触んのやめて欲しい……。

なんて言いたいところだけど。

今はそれよりも、美乃里ちゃんの姿が見えないことが気にかかってしょうがない。

あと2,3分で始まるけど。

まさか、やっぱり着るのが嫌になってバックれたとか……十分その可能性はある……。

入り口のドアに目を向けても、人が来そうな雰囲気はない。

もう参加者は、美乃里ちゃん以外揃っている状態だ。

長テーブルの端の席に座っていた3年の審査員が立ち上がる。

やばい。
始まってしまう。

「はい、ではそろそろ────」

「すみません、月本美乃里ちゃんがまだみたいなので、ちょっと様子見て来てもいいですか?」

とっさにそういえば、先輩が他の審査員の人と顔を見合わせて、目線をこちらに戻した。

「わかりました。もし何かあればすぐに連絡お願いします」

「はいっ」

俺はそう返事をして、会議室を飛び出した。
< 128 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop