モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。
なにしてるんだよ。美乃里ちゃん。これでバックれてたらまじで洒落になんないけど。
これでも一応、優勝目指してるし。
美乃里ちゃんのことだから着るのに時間かかるような水着じゃねぇだろうし。
さっき『そういうやつじゃない』とかはっきり言ってた。
会議室から出て少し進んだところにある一室。
『女子 控室』のプレートを確認にしてドアをノックする。
コンコンッ
「美乃里ちゃん?大丈夫?」
「……」
声がしない。
コンコンッ
「美乃里ちゃん?」
「……」
「ごめん、入るよ?」
ガチャッ
ドアを遠慮がちに開けるとそこには人の姿がない。
え?まじで逃げた?
「美乃里ちゃん?」
もう一度、しっかりと名前を呼ぶと。
「……み、水牧くん?」
すごくか細い声が、部屋の奥の試着室の中から聞こえた。