モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。

脇腹から腰を撫でるように触れれば、ビクッと体が跳ねて。

「触ん、ないでっ、」

「聞こえなーい」

あざ笑うようにそう言って、そのまま首筋に顔を埋める。

早く戻らないと、頭の隅ではそんなこともよぎったけど、

今は、目の前にいる生意気な彼女をへたらせてやるってことだけで頭がいっぱいで。

嫌いなやつに好き勝手されるってどんな気分よ。

悔しがりながら「やっぱり欲しい」って言えばいい。

泣けばいいよ。

そう心の中で思いながら、彼女の顎を無理やり掴んで。

「……やめっ、……っん」

強引に唇を塞いだ。

美乃里ちゃんの言う通りだよ。
俺たちは何もかも違う。

自分で言うのはいくらでも構わないのに。

彼女に、敵わないと思っていた張本人に面と向かって言われると、無性に腹が立って。

止まらなくなってしまった。

だいたい、今までがおかしかったんだ。

正反対の世界に住んでいるはずなのに、同じ時間を過ごして。飯食って笑って。

俺はこっち側の人間。それを改めて思い知らされた。
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