モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。
全身で逃げようとする彼女を逃さないようにと肩を掴んだとき、
ようやく美乃里ちゃんの体が小刻みに震えていることに気づいてハッとした。
動きを止めて身体を離せば、彼女の大きな目からぽたぽたと大粒の涙が流れていて。
は……なんで。
いや、なんでって、そりゃ嫌いな男から襲われたらそうなるに決まっている。
美乃里ちゃんに対してじゃない。
自分が今、手を止めたことがどうしてなのか。意味がわからなかった。
今までそんなこと、一度もなかったから。
そもそも女の子に無理やり迫るようなことはなかったけれど、
中には、最中にやっぱりちょっと怖いかもなんて言ってくる子はいて。
でも、優しく何度も触れれば、途中でその気になる子ばかりだったから。