モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。

「美乃里、目の色が変わってるぞ」

「ほんと、相変わらず重度の姉バカだね」

そんなふたりの声が耳に入ってこなくなるぐらい、私の頭の中は一気に、ペアチケットのことでいっぱいになった。

アズコンは、クラス代表2名が決まると、次に学年人気投票で上位6人にまで絞られる。

ひと学年10クラスなので、計20人。
その中からの上位6人だ。

どうせそこで落ちるに決まってるし。

学園祭のステージに上がることなんてもっとあるわけない話だから。

参加だけして、ペアチケットがもらえるのなら……。

かわいいふたりの喜ぶ笑顔が見れるなら。

私はそう考えて、辞退を思い止まった。

まさか、この決定が、最悪の出来事が始まるきっかけになるなんて。
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