モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。
恐る恐る、建物の角で隠れるようにゆっくり声のする方を覗けば、
……!!
見覚えのある男女ふたりが立っていた。
湯前先輩と彼の手を掴んでゆっくりきごちなく歩く美乃里ちゃん。
彼女の足元に目をやれば、白色のハイヒールを履いていた。
普段履いてるローファーとスクールソックスを傍に置いて。
……なにやってんの。
彼女の手をとってエスコートするのは俺の役目のはず。
なんでこんなところで先輩と……。
いきなり飛び込んできた光景に戸惑ってしまったけれど。
すぐに、あ、そう言うことか、なんて納得する。
ふたり、昨日の今日でもうそういうことになっているんだ。
俺と別れてから美乃里ちゃんと先輩のふたりでお茶に行くことになって、
それからお互いの気持ちを伝え合ってついに付き合うことになりましためでたしめでたしってそういうとこでしょ。