モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。



「ちょっと話したいんだけどいい?」

それは突然のことだった。

湯前先輩直々に呼び出されたのは、校舎裏でふたりを見た日から三日後のこと。

湯前先輩と、屋上に続く階段でふたり。

「水牧くんのクラスは学園祭なにやるの?」

「お化け屋敷カフェらしいです」

「へー!おもしろそう」

いや、こんな話わざわざするために呼び出したんじゃ絶対ないだろ。

クラスの奴らは、アズコン関連で俺が先輩に呼ばれたんだと思ってそうだったけど、そんなはずはない。

先輩のオーラがいつもと違う。

おおかた、美乃里ちゃんと正式に付き合うことになりましたとか、そんな報告だと思う。

聞きたくねぇに決まってる、そんなもの。

「あの、話ってなんですか?アズコンのこと、ではないっすよね」

俺のセリフに先輩はわずかに片方の口角だけ上げてニヤリと笑った。
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