モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。
ふたりきりでお茶したり、こそこそウォーキングの練習したりしてて。
完全にふたりの世界に入り込んでいるように見えた。
美乃里ちゃんも先輩には心許してるみたいだったし。
しかも、俺の顔に出てるってなんだよ。
「で、どうなの?いい?」
「っ、別に……」
別に、なわけがない。
けど、今の俺に何が言えるって言うんだ。
「ふーん」
そうテキトーに相槌を打った先輩の手がおもむろに伸びてきたかと思うと、
そんな先輩の長い指が俺の頬に触れた。
「ちょ、」
「本当にいいの?俺が月本さんにこんな風に触れて」
「……っ、」
美乃里ちゃんが俺以外の男に触れられる。
何にも染まっていない純白の彼女に、誰かが触れる。
俺にそれを拒否する権利はない。わかっているけれど。
そんなの……。
想像しただけで……。