モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。
「……っ、無理っすね……死ぬほどイヤ……っす」
目の前に伸びていた手首を強く捕まえて、自分の顔から引き剥がした。
「ふはっ。ここまでしねぇと素直に言わねぇのな」
んだよそのまるで試してたみたいな言い草は。
先輩は「水牧くんちょーめんどくさいね」とさらに笑う。
「水牧くんってなんで自分の気持ち、そんなに押し殺してんの」
「なんでそんなこと聞くんですか」
「質問に質問で返さないでよ」
全然わかんねぇ、この人が何考えているのか。
「美乃里ちゃんのこと好きで付き合いたいなら、俺のことなんかほっといて勝手にすればいいでしょう」
俺は本当にバカだ。
美乃里ちゃんとどうにかなる前にこうして声をかけてくれたことに内心ホッとしていたくせに。
なんで気持ちとは正反対のことばっか。
ひねくれすぎにも程がある。
「んー、第一に水牧くんが今のままだとアズコンで勝てそうにないから。俺、アズコンにまぁ命かけてんだわ。第二に水牧くんってほっといたらぽっくりいきそうだから」
「……は?ぽっくり?」
先輩、俺のこと舐めすぎでしょ。