モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。
「わかったらもう少し高校生らしい恋愛してよ。考えるのは大事だけど、考えすぎるのも良くないからな」
まさか先輩の口からそんな励ましの言葉が出てくるとは。
すげぇ驚いているけど、胸の内にあったモヤモヤがほんの少しスッキリした気分になった。
「……っ、すみません、ありがとうございます」
「おいおいおい、何お礼なんか言っちゃってんの。わかってんの?俺、水牧くんの恋敵だよ?ただ、正々堂々と闘おうよって言いたかっただけだからさ」
「正々堂々って言う割には、練習手伝ったりして抜け駆けしてますよね」
「懐に入るのがうまいって言ってくれないかな。てか見てたの。えっちー」
えっちって……。
別に俺は練習してるのを見ただけ……。
いや、俺が知らないだけで、見てないところで他にもなにか変ことした可能性だって……。
「安心して。まだなんにもしてないよ。まだ、ね。水牧くんがあんまりタラタラしてたら俺の押さえも効かなくなっちゃうかも」
先輩は楽しそうにそう言うと、俺の肩を優しく叩いてその場を後にした。