モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。

「フラグすごい」

「それな」

「やめて」

水牧 果歩。
さっきだって、馴れ馴れしく話しかけてきたし。

そりゃ、あんなに間近で顔を見るのは初めてだったから、思ってた以上に綺麗な顔つきで少しびっくりしたけど。

でも、自分に声かけられたら女子がみんな喜ぶとでも思っているのだろうあの性格、ますます好きになれない。

ふんっ。他の女の子があの顔面に落ちようが私は違うから。

「わー、弁当美味しそうだね」

っ?!

突然、後ろから軽快な声が聞こえた瞬間、甘い香りが鼻を掠めた。

最悪だ。

さっきも香ったその匂い。

「「水牧 果歩くんっ!」」

さゆちゃんたちが、現れた人物を見てその名前を呼んだ。

……やっぱり。

「あれ、この卵焼き……」

「ちょ、何ですか急にっ!」

急に現れたと思ったら、まじまじと人の弁当の中を覗いてきたので、とっさに手で隠す。
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