モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。



『キャンプファイヤーの火を灯したあと、声かけてみたら』

萌ちゃんとさゆちゃんと2年教室のカフェでシフォンケーキを食べながらそう提案された。

学園祭が終わったあと、片付けを終えて、夕方の6時頃からキャンプ ファイヤーが始まるけど、

アズコングランプリが代表してその火を灯すというのは毎年決まっていることらしく。

その流れでそのまま水牧くんと話したらいいと言われたけど。

自分から水牧くんを誘うなんて想像しただけで口から心臓が飛び出そう。

そもそも、あの水牧くんのことだから女の子たちが離れない気がするし。

できるのかな……。

ていうかなんていうの。

面と向かって『好き』なんて……いや、無理だよ……死んでしまう。

でも……。このままだとダメだって言うのもちゃんとわかっているから。

せっかく、ふたりが背中を押してくれたわけだし。

心のどこかでは、自分の気持ちを知って欲しいって思っているんだ。

それぐらい、日に日に好きだって言うのが増しているのを自覚している。

抱きしめられた時の体温も「美乃里ちゃん」って何度も優しく呼ぶ声も。

もう、失いたくない。
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