モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。
「はーい。それではこれから、各学年でのペア決めを行いたいと思います。一年生は教室前方に、二年生は中央、三年生は後方に集まってください」
運営委員の人の声がして、みんながぞろぞろと言われた通り移動する。
ついにやってきてしまった、ペア決め。
「では、一年生の皆さん、女子から引いてください」
担当の人にそう言われて、差し出された箱の中に一人ずつ手を入れる。
女の子ふたり、改めて見るとすっごくかわいいな。
一人はショートカットがよく似合う顔の小さい子。
もう一人はゆるっと巻かれたロングヘアがザ女の子という感じ。
そもそも私みたいなのがここにいていいのかも不安だ。
「私、2番っ」
「1番!」
「えっと、3番……」
「はい、では次は男子」
男子のトップバッターは水牧くん。
「「果歩くんどっち!」」
女の子ふたりが彼に詰め寄ると、
その長い指が番号の書かれたくじをこちらにも見えるように広げて見せた。
「俺、3番」
え。
そう言って、ペロッと出した舌。
バチっと絡んだ視線。
誰か、嘘だと言って。
「よろしくねー。美乃里ちゃん」