モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。
Chapter13 王子さまの過去
*
……あれ、俺、なんで寝てんの。
てか、ここ、どこ。
重たい瞼を開けると、俺の部屋のとは違う天井が見えた。
ツンとした消毒の独特の匂いに、真っ白な布団とそれを囲うようなカーテン。
え。
なにここ、保健室?
待って。
もしかして、今までの、全部夢?
起きあがろうと力を入れたけど、思ったよりも自分の体が重い。
……うわ、これ……この感覚……知ってるぞ。
最近なくなっていたけれど。
────シャ
カーテンの開けられた音がして、そこに目線を向ければ、
美乃里ちゃんが泣きそうな顔をしながらこっちを見ていた。
そしてすぐに顔を後ろに向ける。
「先生、水牧くん、起きましたっ」
美乃里ちゃんのその声で、カーテンから出された顔がふたつになる。
美乃里ちゃんと、養護教諭の……名前は、忘れた。