モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。
「嫌な夢見ただけだから。ごめんね」
「そっか、夢でよかったな」
パパは「早く降りといで」と私の頭を優しくなでてから部屋を後にした。
本当に夢なら、いいのに。
ベッドの横に置いたスマホの画面に目をやれば、ちょうどさゆちゃんと萌ちゃんとのグループメッセージが動いていて。
『おはよ!アズコンのペア、誰となったのか教えてよ!美乃里!』
『今日はそれ聞きに学校に行くようなもんだから』
……はぁ、夢じゃないらしい。
重い足取りで教室に着けば、さゆちゃんたちに早速アズコンのペアについての話を振られて、朝からすでにクタクタ。
さらに憂鬱になっていると。
「月本 美乃里ちゃんいるー?」
教室のドア付近から、
聞き覚えのある声が飛んできた。
その瞬間、教室中の女の子たちが一斉にざわつきはじめた。
どうしよう……帰りたい。