モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。
「そっか。よかった。俺も手伝う」
「ありがと」
あんまり使われていない感満載のキッチンに立って。
先程、水牧くんと買ってきた食材を調理台に一緒に出す。
「……わー、これなんか既視感あると思ったらあれだ、美乃里ちゃんちに初めて泊まった日」
「あぁ、そういえば、水牧くんにホットケーキ作るの手伝わせたっけ」
「……うん。なんかずっと前のことみたいに懐かしい」
「ふふっ、だね」
あの時の私も水牧くんもまさか恋人同士になってキッチンに立つ未来がくるなんて想像もしなかっただろう。
水牧くんに人参の皮むきをお願いしてふたりでキッチンに並ぶ。
「……あ、水牧くん、ウスターソースってないよね……」
うちでは隠し味に入れてるそれを思い出してダメ元で聞いてみる。
「うん、このうち調味料全般ない。ごめん」
「ううん。そう言ってたもんね……まぁいっか、なくても充分美味しいし。また今度持ってくれば!」
「……なーに、美乃里ちゃん。また作ってくれるの?明日でも大歓迎だけど。え、いつ?何月何日何曜日何時何分?」
……うわぁ、その聞き方、どっかの小学生ですか。